ヒビノヒトコマ

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2015年 09月 17日

「ヒトラーの防具」

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とうとう安保法案が可決されてしまった。
私は勉強不足でついていけていないのだけれど、
断片的に見聞きしてこれでよいのだろうかという思いを抱えている。
どんな方向に日本は行くのだろう。

医療ものの作家だとばかり思っていた帚木蓬生氏。
キンドルを見ていたら昨年幾つかの歴史を題材とした小説が販売されていた。

ヒトラーの防具〈上〉 (新潮文庫)

帚木 蓬生/新潮社

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ヒトラーの防具〈下〉 (新潮文庫)

帚木 蓬生/新潮社

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義務教育を与えられていたというのに、基本的な知識に欠けている私。またあまり歴史に興味を持てない私。正直少々知能指数の足りない私。
そんな人間でも長編を夢中になって一気読みした。
登場人物に感情移入し、憤り涙しながらの一気読み。
あの時代の空気を感じ空気の変化を感じ自分もそこにいるかのような。

あらすじを書くことは避けるけれど、
第二次世界大戦がどういう過程を経て起き、またユダヤ人への迫害がどうしてひどくなっていったのか、そこに住む人達、軍人たち、外交官たちは個々は家族を愛し大事にする良き人々であるのに大きな波にのまれていってしまうということがどういうことであるのか、虚構の世界ではあるけれど実感としてその恐ろしさ、愚かしさが肌で感じられる時間であった。
シンプルに欲というものから争いは始まる。
欲があるから他から搾取する。
邪魔なものは排除する。
どこにでもありふれていること。
自分の中にもそういった芽はあるわけで。

人類がワンネスだとして、夥しい犠牲の上に私たちは今の平和や贅沢を享受しているわけで。本当に愚かなのだけれど、ホロコーストはもっともっと遠い昔のような気がしていたのだけれど、第二次世界大戦ももっと遠い昔のような気がしていたのだけれど、それは本当に少し前のことで父や母はその第二次世界大戦の頃には生まれていたというのに、平和ボケもたいがいだと自分のことを思う。

美しい心根を持つ人達がいて、日常の触れ合いの中でキラリと輝く人間愛、人を想いやる優しさががあって、悲惨な破壊の中にあって尚更美しく悲しい。
わがことのように、普遍的なものとして戦争を捉えることのできる力のある小説であると思う。
是非一読をお勧めする。

難しいことはわからないけれど、当たり前のことなのだけれど、戦争反対。
安保法案の可決はこれからどういう道筋を辿るのだろうか。

『度量のなさ、非寛容はどこからくるのでしょうか。』
『自分の力を過信したときです。力は理性を曇らせます。言いかえると、真理は弱者の側に宿るのです。』








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by nekototorito | 2015-09-17 23:21 | 読書


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