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ヒビノヒトコマ

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2014年 11月 19日

絵本が傍らにある幸せ

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久しぶりに東京国際子ども図書館へでかける。
喧噪の上野公園とは違い芸大あたりから静かになる。
図書館とは反対方向に歩くといつも会う猫ちゃんが今日も人に撫でられてぐるぐるしていた。
(ぐるぐるしていたに違いない)

展示室では日本の絵本の展示が。
懐かしい本全く知らない本。
どれもこれも楽しい。
明治期の絵本、昔話が主だけれど全く子供に媚びていない。
おじいさんは、じじい、、、と表記。
じじい、という言葉は昔は乱暴な単語ではなかったのかしら。


絵本といえば、子供の頃「ABCブック」というのを両親が毎月とってくれていた。
大判の頑丈なオレンジ色の表紙の絵本。
海外のお話が主だったと覚えている。完成度の高い素晴らしい絵と文。
それはそれは洒落た本であった。
まだ若く決して豊かではないはずの生活の中で、大卒の初任給が二万円くらいであろう時代、
一冊350円の本の定期購入を夫婦で決めたのだろう。
そこには子供に良きものを与えたい、子供が健やかに育ってほしいという若い親の切なる願いを感じ取る。
その時の両親の会話を垣間見てみたくなった。
私は確かに愛されている子供だったのだと改めて感謝の気持ちを。

絵本たちはその後確か年の離れたいとこの家にお嫁入りしたように記憶している。

懐かしくて手に取ってみたくなりネットを探したところ、アマゾンの古本屋さんに一軒だけおいてあった。


あおいとり (1966年) (ABCブック〈B〉)あおいとり (1966年) (ABCブック〈B〉)
(1966/09)
富盛 菊枝、牧村 慶子 他

商品詳細を見る


ABCブック

こちらにすべての本が紹介してある。
全く覚えていない本もあるけれど表紙を見ただけで読んだ時の感情、ドキドキしたり悲しかったり嬉しかったり、ありありと蘇るものも。
一番好きだったのは「幸福のおうじ」悲しいけれどとてもとても美しいお話。
(なのに今の私は自己犠牲から遠い人間に育ってしまった)

もしかしたら東京国際子ども図書館に置いてあるかもしれない。
今度訪れて検索してみようと思う。

数多の絵本を眺めていて、日本は子供を何よりも慈しみ大事にしている国であること、
なんと幸せで贅沢なことなのだろうと感じている。
いつまでもそうであってほしい。
子供たちも大人になった頃、私が与えた本、読み聞かせをした本を懐かしく思い出してくれるだろうか。


by nekototorito | 2014-11-19 07:42 | 美術館


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